6月10日、札幌弁護士会主催の無罪事例報告研修に出席しました。
この研修は、刑事事件で無罪判決がなされた事件の弁護活動内容を、担当弁護士が他の弁護士に報告し、今後の刑事弁護に生かしていこうという目的で開催されたものです。私も、自分が昨年に担当した刑事事件の内容を報告しました。
この事件は、「精神病を患った弟が、兄(被告人)に対して襲いかかり、兄が自分の身を守ろうとして暴れる弟の背中に馬乗りになり、首の後ろを強く押えたため、弟が窒息死した」として起訴された事件(傷害致死事件)でした。
家庭内で起こった不幸な事件でありましたが、裁判では正当防衛が認められ、被告人には無罪判決がなされました。
私は、この事件の被告人と何度も面談し、彼の言い分を理解し、裁判官を説得できるよう努力しました。
裁判で結果を出すということは、裁判官にこちらの言い分を認めてもらうということです。そのためには、まず弁護士自身が、依頼者の言い分を十分に理解していなければなりません。
弁護士の仕事は、「依頼者の言い分を十分に理解し、依頼者の言い分を裁判官に納得させること」であると、私はこの事件を通じて学びました。
この姿勢を忘れずに、弁護士として依頼者の抱える問題を解決できるよう、切磋琢磨していきたいと思います。